肝硬変まとめ
☆肝臓とは?
・肝臓は、人体の右上腹部、横隔膜の下にある人体最大の臓器。重さ1.2kg。 ・肝臓には、酸素が運ばれる肝動脈、栄養が運ばれる門脈、栄養素やタンパク質を全身に送る肝静脈の3つの血管が通る。
・肝臓の役割
1. 代謝(栄養の調整・貯蔵・分解)
・糖質代謝:グルコースの合成、糖新生。単糖類(ガラクトース・フルクトース等)の代謝。
・脂質代謝:ケトン体の生成。コレステロールの生成。リン脂質の生成。脂肪酸の合成・分解。
・蛋白質、アミノ酸代謝 ・核酸代謝:DNA、RNAの代謝
・ビタミンの活性化、貯蔵 ・ホルモンの不活性化、排泄 ・胆汁酸、胆汁色素の生成 ・鉄代謝
2. 排泄
・胆汁酸の代謝、排泄:脂肪乳化作用 ・ビリルビンの代謝、
排泄:ヘモグロビンを分解しビリルビンに変換。
3. 解毒
・酸化 ・還元 ・加水分解 ・抱合
4. 血液凝固因子の形成と循環調節
☆肝硬変とは?
≪病態生理≫
・あらゆる慢性進行性肝疾患の終末期で、肝臓全体にびまん(広がりはびこる)性の偽小葉結節を形成した病変。
・慢性肝炎が起こると肝細胞は破壊され、破壊された部分を補うように繊維化。その繊維質が蓄積し、肝臓の中に壁ができる。肝細胞は、壁の中で再生して増えるため、最終的に壁に囲まれた結節を作る。沢山の結節の集まりに変化したもの。
・ある程度増殖するが、壁に阻まれ、ある程度すると肝臓は硬く小さく変化する。そのため、肝臓に走る複数の血管を圧迫、血流の流れがうまくいかなくなる。そのことから、肝機能の低下や肝臓を迂回する為の血液の流れ(短絡路、シャント)の形成により合併症が出現する。
≪症状≫
1. 解毒機能の低下による肝性脳症 ・肝機能障害により解毒機能の低下し、腸から吸収された栄養物が代謝される過程で、生成されるアンモニアが血中に増加。脳細胞に影響し肝性脳症を引き起こす。
・アンモニアの原料になる栄養物(蛋白質)を腸内に貯留させないように、排便コントロールが図る。また、意識障害の軽いうちに処置を行うために意識状態を観察する。
2. 代謝機能の低下による倦怠感・浮腫・腹水貯留
・肝機能障害により代謝機能の低下がおこる。細胞が活性化する為に必要なエネルギーのもと(蛋白質・脂質・糖質)が摂取してもうまく代謝されないためエネルギー不足が生じて倦怠感が出現。
・代謝障害による蛋白質代謝による低アルブミン加え、門脈の血流のうっ滞による門脈圧の亢進により腹水や浮腫の出現もみられる。
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